なぜ学校はこんなにも幼くなったのか!? 福田和也著『なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』を読んで考えた「公教育現場の現在」【西岡正樹】
◾️「幼稚」とは「肝心なことに目をつぶること」「自己を顧みないこと」
私は、福田氏のように「幼稚」を「肝心なことに目をつぶること」「自己を顧みないこと」だと言語化できていなかったが、「なぜ、日本人はかくも幼稚になったのか」を読むことで、子どもたちがこれらの3つのことを意識するという事は、「自己を顧みる」ということなのだ、ということを確認することができた。低学年ながら、子どもたちはきちんと「インプットし、そのことから判断し、行動できる」という一連の流れを意識しながら、自分自身を顧みている。子どもたちを通して分かるように、我々の生活は日々を大事にした積み重ねの上に成り立っているのだ。
先述した「当たり前」も、我々の生活(文化)の上に成り立っている。「あいさつ」が我々の生活の中からなくならないのは、我々の生活に必要なものだからだ。はるか昔から、年月を重ねながら「あいさつ」は我々の生活の中で「当たり前」になってきた。ということは、「あいさつ」=「当たり前」は、我々の生活の中では「肝心」なことになったといえるだろう。自己を顧みられない「幼稚さ」と合わせて、肝心なことに目をつぶる「幼稚さ」も、我々はもっと意識しなければならないのではないだろうか。
文:西岡正樹

