なぜ学校はこんなにも幼くなったのか!? 福田和也著『なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』を読んで考えた「公教育現場の現在」【西岡正樹】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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なぜ学校はこんなにも幼くなったのか!? 福田和也著『なぜ日本人はかくも幼稚になったのか』を読んで考えた「公教育現場の現在」【西岡正樹】

 

◾️「幼稚」とは「肝心なことに目をつぶること」「自己を顧みないこと」

 

 私は、福田氏のように「幼稚」を「肝心なことに目をつぶること」「自己を顧みないこと」だと言語化できていなかったが、「なぜ、日本人はかくも幼稚になったのか」を読むことで、子どもたちがこれらの3つのことを意識するという事は、「自己を顧みる」ということなのだ、ということを確認することができた。低学年ながら、子どもたちはきちんと「インプットし、そのことから判断し、行動できる」という一連の流れを意識しながら、自分自身を顧みている。子どもたちを通して分かるように、我々の生活は日々を大事にした積み重ねの上に成り立っているのだ。

 先述した「当たり前」も、我々の生活(文化)の上に成り立っている。「あいさつ」が我々の生活の中からなくならないのは、我々の生活に必要なものだからだ。はるか昔から、年月を重ねながら「あいさつ」は我々の生活の中で「当たり前」になってきた。ということは、「あいさつ」=「当たり前」は、我々の生活の中では「肝心」なことになったといえるだろう。自己を顧みられない「幼稚さ」と合わせて、肝心なことに目をつぶる「幼稚さ」も、我々はもっと意識しなければならないのではないだろうか。

 

文:西岡正樹

 

走らせていたバイクを思わず止め、しばらく見入ってしまった台湾の田園風景。教師と旅人を行き来するその眼差しの先に、いったい何が見えたのだろうか・・・

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西岡正樹

にしおか まさき

小学校教師

1976年立教大学卒、1977年玉川大学通信教育過程修了。1977年より2001年3月まで24年間、茅ヶ崎市内の小学校に教諭として勤務。退職後、2001年から世界バイク旅を始める。現在まで、世界65カ国約16万km走破。また、2022年3月まで国内滞在時、臨時教員として茅ヶ崎市内公立小学校に勤務する。
「旅を終えるといつも感じることは、自分がいかに逞しくないか、ということ。そして、いかに日常が大切か、ということだ。旅は教師としての自分も成長させていることを、実践を通して感じている」。
著書に『世界は僕の教室』(ノベル倶楽部)がある。
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